ビジョナリーカンパニー【特別編】(ジェームズ・C・コリンズ,著)
- 作者: ジェームズ・C・コリンズ,山岡洋一
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2006/06/22
- メディア: 単行本
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「 ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則」の特別編として、社会セクターについての分析と処方箋を論じている。社会セクターの方だけではなく、企業セクターの方にとっても有意義であるし、「飛躍の法則」の内容を肉付けしてくれる内容に仕上がっている。
社会セクターは企業セクターを真似るのではない。企業において、「偉大」と「凡庸」を分けるものについて学ぶべきだ、というのが非常に印象的であった。またその内容は、「規律ある人材を選び、規律ある考えを維持し、規律ある行動を起こす」というシンプルな法則であり、非営利団体の経営と企業の経営の両方の経験がある自分としても、重要な法則出ると感じる。ただし、徹底して実践することは非常に難しい。
偉大な組織になれるかどうかは、環境によって決まるのではない。偉大な組織への飛躍は大部分、意識的な選択と規律によるものなのである。
まさに、この積み重ねである。
以下、簡単なまとめ。
■「偉大さ」の定義
・使った資源に対してどれほど効率的に使命を達成し、社会に際立った影響を与えたか
・「インプットとアウトプットを区別し、それぞれの組織でアウトプットに責任をもつ規律を確立」する。数量的な目標があるかないかは意味をもたない
・重要なのは、成果を確認するために、量的な事実や質的な事実をしっかりと集めていくことである
■第5水準のリーダーシップ
・社会セクターの指導者は企業経営者と比較して、一般論として決断力が乏しいというわけではない。
・社会セクターの場合には通常、組織運営の仕組みが複雑で、権限が分散しており、この点を認識しておらず、指導者に決断力が乏しいと見えるにすぎない
・執行型のリーダーシップが使いづらい。この点が原因になって、企業経営者が社会セクターに移ったときに失敗する場合がある
・対して、立法型のリーダーシップでは、説得や政治力、共通の利害や関心などに頼って、適切な決定が下される条件を整えていく(ただし、セクターごとに異なるという単純なことではない)
■最初に人を選ぶ
・(社会セクターでは)資源が不足しているからこそ、人を選ぶことが決定的に重要になる
■針鼠の概念
・針鼠の概念の第三の円は、経済的原動力からの資源の原動力に変わる。資源の原動力は、時間、資金、ブランドの3つである。
・社会セクターの経済的原動力の四象限(寄付への依存度*事業収入への依存度)=政府予算依存組織、慈善寄付依存組織、慈善寄付と事業収入の組み合わせ組織、事業収入依存組織
【参考】