記憶の備忘録

日々を綴ります

ビジョナリーカンパニー【特別編】(ジェームズ・C・コリンズ,著)

 

ビジョナリーカンパニー【特別編】

ビジョナリーカンパニー【特別編】

 

「 ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則」の特別編として、社会セクターについての分析と処方箋を論じている。社会セクターの方だけではなく、企業セクターの方にとっても有意義であるし、「飛躍の法則」の内容を肉付けしてくれる内容に仕上がっている。

 

f:id:okamotti:20180510232619p:plainf:id:okamotti:20180510232718p:plain

社会セクターは企業セクターを真似るのではない。企業において、「偉大」と「凡庸」を分けるものについて学ぶべきだ、というのが非常に印象的であった。またその内容は、「規律ある人材を選び、規律ある考えを維持し、規律ある行動を起こす」というシンプルな法則であり、非営利団体の経営と企業の経営の両方の経験がある自分としても、重要な法則出ると感じる。ただし、徹底して実践することは非常に難しい。

偉大な組織になれるかどうかは、環境によって決まるのではない。偉大な組織への飛躍は大部分、意識的な選択と規律によるものなのである。

まさに、この積み重ねである。

 

以下、簡単なまとめ。

■「偉大さ」の定義

・使った資源に対してどれほど効率的に使命を達成し、社会に際立った影響を与えたか

・「インプットとアウトプットを区別し、それぞれの組織でアウトプットに責任をもつ規律を確立」する。数量的な目標があるかないかは意味をもたない

・重要なのは、成果を確認するために、量的な事実や質的な事実をしっかりと集めていくことである

 

■第5水準のリーダーシップ

・社会セクターの指導者は企業経営者と比較して、一般論として決断力が乏しいというわけではない。

・社会セクターの場合には通常、組織運営の仕組みが複雑で、権限が分散しており、この点を認識しておらず、指導者に決断力が乏しいと見えるにすぎない

・執行型のリーダーシップが使いづらい。この点が原因になって、企業経営者が社会セクターに移ったときに失敗する場合がある

・対して、立法型のリーダーシップでは、説得や政治力、共通の利害や関心などに頼って、適切な決定が下される条件を整えていく(ただし、セクターごとに異なるという単純なことではない)

 

f:id:okamotti:20180510232647p:plain

■最初に人を選ぶ

・(社会セクターでは)資源が不足しているからこそ、人を選ぶことが決定的に重要になる 

 

■針鼠の概念

・針鼠の概念の第三の円は、経済的原動力からの資源の原動力に変わる。資源の原動力は、時間、資金、ブランドの3つである。

・社会セクターの経済的原動力の四象限(寄付への依存度*事業収入への依存度)=政府予算依存組織、慈善寄付依存組織、慈善寄付と事業収入の組み合わせ組織、事業収入依存組織

 

  

 【参考】

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則