記憶の備忘録

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経営者:日本経済生き残りをかけた闘い(永野健二,著)

 

経営者:日本経済生き残りをかけた闘い

経営者:日本経済生き残りをかけた闘い

 

簡単に言えば、 誰もが知る著名な経営者についての「私の履歴書」を集めたようなものだ。ただし、「私の履歴書」との違いでいうと、これらの経営者について著者自らとの関係や著者の考え方・解釈について、突っ込んだ記述がされていることである。個人的には豊田英二・奥田碩・豊田章雄、出井伸之小倉昌男稲盛和夫あたりが特に面白かった。

 

繰り返し述べられていることではあるが、時代が変化する中でガバナンスの改革ができずに経営の責任と権限が曖昧になり思い切った戦略を選択できずに、多くの企業沈んでいくプロセスが印象的であった。

なお、「渋沢資本主義」については自分なりに理解しているつもりであったが、それが日本にどのような影響を与えたのか、上記のような日本企業の課題があるとしてどのように影響を与えたのかについては、正直よくわからなかった。

<目次>
序 日本を支えた「渋沢資本主義」

第Ⅰ章 戦後日本経済のリーダーたち
1.武藤山治カネボウの「滅びの遺伝子」
2.二度引退した“財界鞍馬天狗”中山素平
3.永野重雄の決断――新日鉄誕生は是か非か
4.トヨタが日本一になった日――豊田英二の時代

第Ⅱ章 高度消費社会の革命児たち
5.中内功――流通革命と『わが安売り哲学』
6.伊藤雅俊鈴木敏文、今生の別れ
7.藤田田、「青の時代」のトリックスター
8.“プラグマティスト”小倉昌男の企業家精神

第Ⅲ章 グローバル時代の変革者たち
9.ジョブズになれなかった男、出井伸之
10.“最後の財界総理”奥田碩の栄光と挫折
11.土光敏夫も変えられなかった「東芝の悲劇」
12.伊夫伎一雄と「溶解する三菱グループ
13.日立の青い鳥、花房正義の物語

第Ⅳ章 新しい時代の挑戦者たち
14.柳井正永久革命
15.豊田章男が背負う「トヨタの未来」
16.孫正義が目指すのは企業かファンドか
17.稲盛和夫が見つけた「資本主義の静脈」