記憶の備忘録

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駆け出しマネジャーの成長論 - 7つの挑戦課題を「科学」する(中原淳,著)

 

マネージャーの役割や陥る課題をわかりやすく解説している良書。タイトルの通り、マネージャーになりたての方にはマネージャーのイメージがわき業務に取り組みやすくなると感じる。

 

以下、簡単なまとめ。

■マネージャーの役割

マネジャーとはひと言で表すと「Getting things done through others」です。つまり、「他者を通じて物事を成し遂げること」

■マネージャーの課題

1.部下育成:「快適空間(コンフォートゾーン)」「挑戦空間(ストレッチゾーン)」「混乱空間(パニックゾーン)」 の3つのうち、挑戦空間に部下を常におくこと

2.目標咀嚼:「翻訳機」として自分の言葉で語ること

3.政治交渉

4.多様な人材活用

5.意思決定:決めきる、やりきる

6.マインド維持:メンターをもつ

7.プレマネバランス

自分の場合は、特に4.が難しいと感じることが多い。

 

■育成の対象

縦軸を「マネジャーから見た部下の伸びしろ(マネジャーの期待)」、横軸を「本人の成長意欲」とすると、部下のタイプは「右腕さん」「もう一歩さん」「次の右腕さん」「粛々さん」の4つに分かれる

時間は有限であるから、育成対象にどう比重をかけるかと(自分が育てる人と他の人に育ててもらう人をすみ分ける)、育成の内容をしっかりと見極める必要があると感じている。

■中途社員へのサポート

1.境界を探る

2.アンラーンさせる

3.職場に溶け込ませる

これは非常に重要であるが、なかなかできない。本人もプライドがあるし、成果を出して認められたいという欲求と焦りもある。まずは3.から始めるのがスムーズな気がしている。

人材育成・組織の課題について、相変わらず中原先生の整理とソリューションはとてもわかりやすい。本書も実務に取り組む上で参考になった。