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【メアリー・C・ブリントン】失われた場を探して──ロストジェネレーションの社会学

失われた場を探して──ロストジェネレーションの社会学

失われた場を探して──ロストジェネレーションの社会学

日本社会は、就職に対して、ウィークタイズではなく、ストロングタイズによるものが多かった。つまり学校の先生や家族などの結び付きによるものである。

その上で、このストロングタイズによる結びつきが強く、かつその機能不全を最も起こしているのが。偏差値の低い普通科高校である。これまで学校が担ってきた職業の斡旋機能が、不景気や工業設備の海外移転により不全になってきた。その結果、学校という場に対する忠誠心やコミットが失われ、学校自体の存在意義がなくなってきた。
彼らは正規社員として就職することができずフリーターになり、もしくはニートとなる。

景気が回復すれば若者の雇用が回復する訳ではない。企業側の雇用スタンスが変化しているためである。
さらに、親の教育レベルと子供の教育レベルの相関関係は強まっており、階層の固定化が進んでいる。

今後の対応としては、まず企業側の雇用スタンスの変化を求めること。
一方で、個人での対応としては、より開かれた社会資本関係を結ぶ、要はウィークタイズによる結びつきを強めていいくことが大切である。そのために必要な基本的なスキルとしては、対人関係能力と人的資本の教科である。