NHK「100分de名著」ブックス ドラッカー マネジメント(上田惇生,著)
NHK「100分de名著」ブックス ドラッカー マネジメント
- 作者: 上田惇生
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/02/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
非常によくまとまっており、ドラッカーのマネジメントについて初めて触れる人が概要を掴むには、有用である。巻末にドラッカー著作の紹介も掲載されているので、本書を読んで特に興味を持ったところがあれば、実際に手をとってみるのが良いかと思う。ほとんどの翻訳をされてきた上田氏の編集が光る。
以下、簡単なまとめ。
■前提となる考え方
・ドラッカーのマネジメント論をひと言でいえば「人と人とが成果をあげるために工夫すること」。根底に「人間の本当の幸せとは何か?」という大きな命題がある。それをふまえた上で、よりよい社会をつくっていくための組織、企業のあり方について書かれたのが『マネジメント』
・ドラッカーは「会社は社会の公器である」と語る。「会社とは社会から人材や資源をあずかり、社会に必要とされるものを提供する役割を果たすものである」
・マネージャーにもっとも必要とされるのは才能ではなく、「 真摯 さ(integrity)」
■マネジメントの役割
1.自らの組織に特有の使命を果たす
2.仕事を通じて働く人たちを生かす
3.社会の問題について貢献する
■働く人にとって良い組織であるかのモノサシ
1.あなたは、会社で敬意を払われていますか?
2.あなたが仕事上の能力をつけようと思って、勉強しようと考えたり、自己啓発に励もうとした際に、会社は応援してくれますか?
3.あなたが会社に貢献していることを、会社は知っていますか?
※CSとESの両立が大切であるし、必ずできる
■企業を評価するモノサシ・目標
■イノベーションの機会
1.予期せぬ成功と予期せぬ失敗:
2.ギャップ:
3.ニーズ:今までにないものが必要になったとき4.産業構造の変化:5.人口の変化:6.認識の変化:7.発明・発見:
■マネージャーに必要なスキル
1.意思決定:「決めること」だけではなく、「問題を明確にすること」が重要
2.コミュニケーション:受け手を動かせるか。また、自己目標管理が大切。
3.管理:適切に、仕事の成果を測定し、目標への進捗を検証し、問題点があれば修正する。成果とは無関係の事柄を測定しない。〝いかに〟管理するかではなく、〝なにを〟管理するかが重要
4.経営科学:科学的なデータや手法によって経営を行なうスキル
■成果をあげる為に必要なこと
1.時間管理:何に自分の時間がとられているかを知り、時間を体系的に管理する。やる必要のない仕事や、成果に結びつかない仕事は切り捨てる。人にまかせていい仕事は部下や外注にまかせる。時間は大きなかたまりで使えるように調節する。
2.貢献:外の世界に対する貢献に焦点をあわせる。会社から言われた仕事をこなすだけではなく、自分の仕事が社会とどう関わっているのかを考える
3.強み:自分の持っている強み、得意なことを伸ばしてフルに使う自分の強みを発見し、それを仕事の基盤にする。
4.集中:際立った成果をあげられる領域に力を集中させる。そのためには、仕事に優先順位をつける
5.意思決定:上記参考
■知識社会への変化と必要な作法
・知識を中心とする社会に移行するにしたがって、企業には「継続」ではなく「変化」が求められるようになってきました。知識というのは、どんどん古びていきますから、常に企業も人もマネジメントも、「変化」し続けることが必要になってきたのです。
・彼はポストモダンを生きるためには、以下の七つの作法が有効であると語っています。
1.見る:個別だけではなく、全体
2.分かったものを使う:すでに起こった未来
3.基本と原則を使う
4.欠けたものを探す:ギャップを見つける
5.自らを陳腐化させる
6.仕掛けをつくる:達成すべき目標を定める
7.モダンの手法を使う:論理と分析←観察と知覚