【村上龍】最後の家族
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2001/09
- メディア: 単行本
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村上龍の中でもかなり好きな作品です。
鳥肌がたったところを一部紹介します。
「下働きのときは、面白くないんだよ。もういやになるくらい単調な仕事なんだよ。そういうのばっかり続くと、誰だってもう辞めようかと思うよ。思わないやつは、人間じゃないよ。ただ、もう辞めようかなじゃなくて、誰かがぼくを辞めさせようとしてるって思うと、意味が違うでしょ」
「辞める、っていうのと、誰かがおれを辞めさせようとしてる、って全然違うでしょ。辞めようかなっていうのは、自分が一度選んだことだっていうのが、曖昧になってしまうんだよね。別に最初からそんなにやりたいわけじゃなかったし、って思えるんだよ。単調な仕事に飽きて、いやになったときに、どう思うかだよ。自分はこの仕事をやりたい。でも誰かがぼくを辞めさせようとしている。そう思うようにしたら考えが変わったんだ」