記憶の備忘録

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ビジネスに効く最強の「読書」(出口治明,著)

 

ビジネスに効く最強の「読書」

ビジネスに効く最強の「読書」

 

 10のテーマに合わせて、108の本が紹介されている。まさに博覧強記、多様なジャンルを深く読み続けてきた、出口氏だからできる本の紹介だと感じた。巻末に紹介本の一覧も載っているので、読者は出口の書評を参考に好きな本から読み進めるのが良いのではないか。実際には私は、「韓非子」や「ローマ人の物語」「想像の共同体」などに触れ、氏の確かな眼力に感銘を受けた。少なくとも読書好きの方にはオススメできる書評集である。

 

以下、抜粋。 

リーダーシップについて

私自身は、リーダーシップには最低3つの条件があると思っています。何かをしたい、何かを変えたい、という強い気持ちがあることがまず最低条件の一つ目です。第2に、自分のしたいことをメンバーにきちんと話して共感を得る力がなければなりません。最後に、丁寧にコミュニケーションを取って、最後の目的地までメンバーを引っ張っていく統率力が必要です。

人の成長について

また、紀元前7世紀ごろに活躍したソロンは、7年を単位として人生をこのように表現しました。「0〜7歳は未熟、7〜14歳は成人男子に近づく萌芽がみられ、14〜21歳は四肢が成長を続け、頬のばら色が消えうせる。21〜28歳は成人男子としての力が熟し最高となり、真価が明らかになる。28〜35歳は、求愛の季節。35〜42歳は徳へ開いてきた心がさらに広がり、無益な行為には決して走らない。42〜56歳はことばと精神の全盛期、56〜63歳はまだ有能だが話や才知は精彩に欠けてくる。63〜70歳まで生きた者は、死という引き潮にのって立ち去るときとなる」

幸福について

・憂鬱なパッシオンを味わっていられるのは、自分自身が苦痛のただ中にいないからだ。そのかぎりでは、ぼくにも有益な教えである。でも、ほんとうの苦痛が訪れたら、その時自分がなすべきことはただ一つしかない。人間らしく振舞い、強く生きること。おのが意志と生命とを一つにして、不幸と敢然とたたかうことだ

・幸福な人とは、客観的な生き方をし、自由な愛情と広い興味を持っている人である