記憶の備忘録

日々を綴ります

VDOTについて

ジャック・ダニエルズという人が考えた、VDOTという様々な距離のランニングタイムの指標(そして、その指標をもとに練習メニューに活かす方法論)があります。

色々な方が詳細書いてくださっているので、少しまとめてみました。
・指標の一覧はこちら
・より細かい計算はこちら

さらに、練習方法もまとめてくださってます。
・練習メニューの全体像はこちら
・詳細はこちら

私はVDOTはとても参考にしていて、ハーフとフルのタイムを踏まえて練習メニューを調整しております。具体的には、フルのVDOTが高ければ心肺系やスピード系のメニューを増やす、もしくはその逆などです。
一方で、以前にも書きましたが、練習方法に関しては、個人的には小出義雄監督をかなり参考にしているので、ジャック・ダニエルズ氏の練習方法はその意図と背景知識を理解するために参考にしている程度です。

ただひたすらに練習をするのではなく、全体の設計とその練習メニューの意味を理解して行うとより効果が高いと感じます。

 

なお、ご参考にこちらの本も読んでみると良いかと思います。

 

ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第3版

ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第3版

 

 

 

ビジネスに効く最強の「読書」(出口治明,著)

 

ビジネスに効く最強の「読書」

ビジネスに効く最強の「読書」

 

 10のテーマに合わせて、108の本が紹介されている。まさに博覧強記、多様なジャンルを深く読み続けてきた、出口氏だからできる本の紹介だと感じた。巻末に紹介本の一覧も載っているので、読者は出口の書評を参考に好きな本から読み進めるのが良いのではないか。実際には私は、「韓非子」や「ローマ人の物語」「想像の共同体」などに触れ、氏の確かな眼力に感銘を受けた。少なくとも読書好きの方にはオススメできる書評集である。

 

以下、抜粋。 

リーダーシップについて

私自身は、リーダーシップには最低3つの条件があると思っています。何かをしたい、何かを変えたい、という強い気持ちがあることがまず最低条件の一つ目です。第2に、自分のしたいことをメンバーにきちんと話して共感を得る力がなければなりません。最後に、丁寧にコミュニケーションを取って、最後の目的地までメンバーを引っ張っていく統率力が必要です。

人の成長について

また、紀元前7世紀ごろに活躍したソロンは、7年を単位として人生をこのように表現しました。「0〜7歳は未熟、7〜14歳は成人男子に近づく萌芽がみられ、14〜21歳は四肢が成長を続け、頬のばら色が消えうせる。21〜28歳は成人男子としての力が熟し最高となり、真価が明らかになる。28〜35歳は、求愛の季節。35〜42歳は徳へ開いてきた心がさらに広がり、無益な行為には決して走らない。42〜56歳はことばと精神の全盛期、56〜63歳はまだ有能だが話や才知は精彩に欠けてくる。63〜70歳まで生きた者は、死という引き潮にのって立ち去るときとなる」

幸福について

・憂鬱なパッシオンを味わっていられるのは、自分自身が苦痛のただ中にいないからだ。そのかぎりでは、ぼくにも有益な教えである。でも、ほんとうの苦痛が訪れたら、その時自分がなすべきことはただ一つしかない。人間らしく振舞い、強く生きること。おのが意志と生命とを一つにして、不幸と敢然とたたかうことだ

・幸福な人とは、客観的な生き方をし、自由な愛情と広い興味を持っている人である

新版 はじめての課長の教科書(酒井穣,著)

 

新版 はじめての課長の教科書

新版 はじめての課長の教科書

 

本書の特徴は、こういった課長向けマネジメント向けの書籍にも関わらず、かなり実務に活かせることが書いてあるという点である。「課長」と言っても、色々な業種・業態・規模があるので、抽象度が高い解説になりがちであるが、日々の悩みや課題にある程度即効性のある章立てになっていると感じた(例えば、部下へのフィードバックの仕方、予算編成での注意点など)。対象としては、ベテランよりは課長になりたての方が合っているように思う。

以下、引用によるまとめ。

・顧客第一主義という共通の価値観で人を束ねる

・フィードバック:褒めるのはみんなの前で、叱るのは個別に。まずはきちんと事実を確認することを忘れない。
・ルーティンワークをの大切さ。「格下の退屈な仕事であるかのように考えることはまちがい」

・スキル「悪い情報」がどれほど素早く部下からあがってくるかが死活問題。何も伝えなければ部下のモチベーションは自然に低下して行くものである。

組織構造

・事業領域による違い。基本はピラミッドとして考える

・野中先生の経営のビジョンと現場の情報の結節点。ミドルアップダウンで組織を動かす 

部下のモチベーションを高めることが何より大切。そのための、フロー体験。

1.やることの目的と価値が明確になっている

2.活動を自分でコントロールできる

3.活動の難易度がちょうど良い

4.活動中に邪魔が入らない

5.活動の最中、その成功と失敗が明確になる 

そのほか、実践的なアドバイス

・MBWA=management by wadering around=自分から情報を取りに行く
・部下を守る、
・フォローしてくれる仲間を持っておく。自己主張はする、ただし、それはリスクをとってることを認識しておく。かわいげが自分を助ける時もある。
ティッピングポイントリーダーシップを発揮
・「前の会社では〜」とは言わない

・自分の「失敗パターン」を分析せよ

 

最後に、著者の人間への愛を感じる。私も、人は機械でも機能でもないと思う。

 

ビジョナリーカンパニー【特別編】(ジェームズ・C・コリンズ,著)

 

ビジョナリーカンパニー【特別編】

ビジョナリーカンパニー【特別編】

 

「 ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則」の特別編として、社会セクターについての分析と処方箋を論じている。社会セクターの方だけではなく、企業セクターの方にとっても有意義であるし、「飛躍の法則」の内容を肉付けしてくれる内容に仕上がっている。

 

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社会セクターは企業セクターを真似るのではない。企業において、「偉大」と「凡庸」を分けるものについて学ぶべきだ、というのが非常に印象的であった。またその内容は、「規律ある人材を選び、規律ある考えを維持し、規律ある行動を起こす」というシンプルな法則であり、非営利団体の経営と企業の経営の両方の経験がある自分としても、重要な法則出ると感じる。ただし、徹底して実践することは非常に難しい。

偉大な組織になれるかどうかは、環境によって決まるのではない。偉大な組織への飛躍は大部分、意識的な選択と規律によるものなのである。

まさに、この積み重ねである。

 

以下、簡単なまとめ。

■「偉大さ」の定義

・使った資源に対してどれほど効率的に使命を達成し、社会に際立った影響を与えたか

・「インプットとアウトプットを区別し、それぞれの組織でアウトプットに責任をもつ規律を確立」する。数量的な目標があるかないかは意味をもたない

・重要なのは、成果を確認するために、量的な事実や質的な事実をしっかりと集めていくことである

 

■第5水準のリーダーシップ

・社会セクターの指導者は企業経営者と比較して、一般論として決断力が乏しいというわけではない。

・社会セクターの場合には通常、組織運営の仕組みが複雑で、権限が分散しており、この点を認識しておらず、指導者に決断力が乏しいと見えるにすぎない

・執行型のリーダーシップが使いづらい。この点が原因になって、企業経営者が社会セクターに移ったときに失敗する場合がある

・対して、立法型のリーダーシップでは、説得や政治力、共通の利害や関心などに頼って、適切な決定が下される条件を整えていく(ただし、セクターごとに異なるという単純なことではない)

 

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■最初に人を選ぶ

・(社会セクターでは)資源が不足しているからこそ、人を選ぶことが決定的に重要になる 

 

■針鼠の概念

・針鼠の概念の第三の円は、経済的原動力からの資源の原動力に変わる。資源の原動力は、時間、資金、ブランドの3つである。

・社会セクターの経済的原動力の四象限(寄付への依存度*事業収入への依存度)=政府予算依存組織、慈善寄付依存組織、慈善寄付と事業収入の組み合わせ組織、事業収入依存組織

 

  

 【参考】

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

 

 

 

 

NHK「100分de名著」ブックス ドラッカー マネジメント(上田惇生,著)

 

NHK「100分de名著」ブックス ドラッカー マネジメント

NHK「100分de名著」ブックス ドラッカー マネジメント

 

非常によくまとまっており、ドラッカーのマネジメントについて初めて触れる人が概要を掴むには、有用である。巻末にドラッカー著作の紹介も掲載されているので、本書を読んで特に興味を持ったところがあれば、実際に手をとってみるのが良いかと思う。ほとんどの翻訳をされてきた上田氏の編集が光る。

 

以下、簡単なまとめ。

■前提となる考え方

ドラッカーのマネジメント論をひと言でいえば「人と人とが成果をあげるために工夫すること」。根底に「人間の本当の幸せとは何か?」という大きな命題がある。それをふまえた上で、よりよい社会をつくっていくための組織、企業のあり方について書かれたのが『マネジメント』

ドラッカーは「会社は社会の公器である」と語る。「会社とは社会から人材や資源をあずかり、社会に必要とされるものを提供する役割を果たすものである」

・マネージャーにもっとも必要とされるのは才能ではなく、「 真摯 さ(integrity)」

■マネジメントの役割

1.自らの組織に特有の使命を果たす

2.仕事を通じて働く人たちを生かす

3.社会の問題について貢献する

■働く人にとって良い組織であるかのモノサシ

1.あなたは、会社で敬意を払われていますか?

2.あなたが仕事上の能力をつけようと思って、勉強しようと考えたり、自己啓発に励もうとした際に、会社は応援してくれますか?

3.あなたが会社に貢献していることを、会社は知っていますか?

※CSとESの両立が大切であるし、必ずできる

■企業を評価するモノサシ・目標

企業の目的の定義はただひとつ「顧客を創造すること」。顧客の創造とは、お客に求められているものを創造すること。すなわち、お客の潜在意識のなかには需要があるのにまだ商品やサービスとして形になっていないものを提供すること

1.マーケティング(市場シェア)

2.イノベーション(下記の7つの機会を見つける)

3.経営資源

4.生産性

5.社会的責任

※「利益」は目標ではない。

イノベーションの機会

1.予期せぬ成功と予期せぬ失敗:

2.ギャップ:

3.ニーズ:今までにないものが必要になったとき
4.産業構造の変化:
5.人口の変化:
6.認識の変化:
7.発明・発見:

■マネージャーに必要なスキル

1.意思決定:「決めること」だけではなく、「問題を明確にすること」が重要

2.コミュニケーション:受け手を動かせるか。また、自己目標管理が大切。

3.管理:適切に、仕事の成果を測定し、目標への進捗を検証し、問題点があれば修正する。成果とは無関係の事柄を測定しない。〝いかに〟管理するかではなく、〝なにを〟管理するかが重要

4.経営科学:科学的なデータや手法によって経営を行なうスキル

■成果をあげる為に必要なこと

1.時間管理:何に自分の時間がとられているかを知り、時間を体系的に管理する。やる必要のない仕事や、成果に結びつかない仕事は切り捨てる。人にまかせていい仕事は部下や外注にまかせる。時間は大きなかたまりで使えるように調節する。

2.貢献:外の世界に対する貢献に焦点をあわせる。会社から言われた仕事をこなすだけではなく、自分の仕事が社会とどう関わっているのかを考える

3.強み:自分の持っている強み、得意なことを伸ばしてフルに使う自分の強みを発見し、それを仕事の基盤にする。

4.集中:際立った成果をあげられる領域に力を集中させる。そのためには、仕事に優先順位をつける

5.意思決定:上記参考

■知識社会への変化と必要な作法

・知識を中心とする社会に移行するにしたがって、企業には「継続」ではなく「変化」が求められるようになってきました。知識というのは、どんどん古びていきますから、常に企業も人もマネジメントも、「変化」し続けることが必要になってきたのです。

・彼はポストモダンを生きるためには、以下の七つの作法が有効であると語っています。

1.見る:個別だけではなく、全体

2.分かったものを使う:すでに起こった未来

3.基本と原則を使う

4.欠けたものを探す:ギャップを見つける

5.自らを陳腐化させる

6.仕掛けをつくる:達成すべき目標を定める

7.モダンの手法を使う:論理と分析←観察と知覚

 

吉田松陰(山岡荘八,著)

吉田松陰(1) (山岡荘八歴史文庫)

吉田松陰(1) (山岡荘八歴史文庫)

 

吉田松陰(2) (山岡荘八歴史文庫)

吉田松陰(2) (山岡荘八歴史文庫)

 

 

明治維新に多大な影響を与えた思想家。

 

 

 

 

投資される経営 売買される経営(中神康議,楠木建,著)

 

投資される経営 売買(うりかい)される経営

投資される経営 売買(うりかい)される経営

 

 全ては以下の式で表されている。

V=(b×p)^m

※V=value,b=business,p=person,m=management 

 楠木建氏の「長めの解説」が非常によい。